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公的な医療保険制度とは – 医療保険の選び方

情報更新日:2015年3月25日

公的な医療保険と民間の医療保険


医療保険というのは、病気やケガをした時に、経済的な負担を軽減させるための制度です。この医療保険制度には「公的な医療保険」と「民間の保険会社が販売する医療保険」の2つがあります。

医療保険に加入する時、見直しする時、どうする?

さて、病気やケガで入院や治療を受けたとき、はたしてどのくらいの費用がかかってしまうのでしょうか? 漠然とこんな疑問をお持ちかと思います。
いくら費用がかかるかは、その病気やケガの種類や度合いで違ってきますので、これを予測するのは神ワザです。しかし、日本の公的医療保険制度には「個人の自己負担は最大でここまでですよ」っていうことを定めた、高額療養費制度があります。通常の自己負担3割の制度とあわせて、この公的な医療保険制度の概要を見ていきましょう。

公的な医療保険制度とは・・

公的医療保険制度というのは、一般的には「健康保険」と呼ばれるもので、各組合や共済、市町村などが保険者として運営しています。

  • 「国民健康保険」 自営業の方などが加入
  • 「健康保険」 サラリーマンなど会社勤めの方が加入
  • 「共済組合」 公務員の方が加入
  • 「後期高齢者医療制度」 75歳以上の方

日本では国民皆保険制度をとっていますので、国民は必ずいずれかの公的な医療保険制度に加入しなければなりません。逆に言うと「誰でも加入できる」というもので、収入が無い状態でも加入することができます。そして、収入に応じて保険料が決まりますが、適応される医療費の給付については支払う保険料が高い方でも低い方でも同じ給付額が適応されることになっています。

これら健康保険では、特につぎの2つの医療費給付が重要です。

よく知られている医療費の自己負担額3割という制度があります

病気やケガなどで入院治療や通院治療、手術などを受けた場合に、そのときにかかった医療費の7割の給付が受けられます。実際に自己負担しなければならないのは、かかった医療費の3割ということです。

健康保険、共済組合、国民健康保険など 自己負担は 3割(本人・その家族)
一定以上の所得者は3割負担です。義務教育就学前の子供は2割負担ですが、各市町村ごとに子供の医療費制度があり、一定年齢まで無料だったりします。
後期高齢者医療制度 自己負担は 1割(75歳以上の方)
通常は1割負担ですが、一定以上の所得者は3割負担となります。

高額療養費制度とは、
高額の医療費がかかってしまった場合に上限を定めた制度です。

通常の治療では医療費の3割が自己負担です。しかし、高額な医療費がかかってしまう場合があります。例えば、1カ月の医療費は100万円だったりしたら、3割といっても30万円にもなってしまいます。そんな場合の自己負担額の上限を定めたものが「高額療養費制度」です。

上位所得者 自己負担限度額(月額)
150,000円+(医療費-500,000円)X1%
1年間に4回以上の場合 83,400円
一般の方 自己負担限度額(月額)
80,100円+(医療費-267,000円)X1%
1年間に4回以上の場合 44,400円
低所得者 自己負担限度額(月額)
35,400円
1年間に4回以上の場合 24,600円

例えば、一般の方で
1カ月間の医療費が100万円だった場合の自己負担額は
 80,100円+(100万円の医療費-267,000円)X1% ですので、
 87,430円 になります。

もし長期にわたり高額な医療費がかかってしまった場合、
4カ月目以降は、44,400円が自己負担額の上限となります。

健康保険に加入していれば、
実際の自己負担額は最大でも「1か月9万円」程度です。
ここを抑えて民間の医療保険を考えてみましょう。

例えば「民間の医療保険は必要ない」と考える方もいます。貯蓄があれば万が一重大な病気にかかったとしても、医療費の自己負担分なら何とか支払える、という考えです。

一方で「貯蓄があっても医療保険は必要だ」と考える方もいます。医療費の負担だけでなく、健康保険の適用対象以外のものはすべて実費でかかります。入院の際の差額ベッド代や食事代。また、健康保険の適用外の治療や薬が必要になるかもしれません。病気で長期の治療が必要になった場合は仕事もままならないでしょうから収入も減少してしまうかもしれません。

さらには「医療費に当てられる貯蓄は無い。低額の医療保険で備えたい」と考える方もいます。健康保険の適用で自己負担は3割以下になったとしても、万が一の時の医療費が負担できるかどうか不安な方も多いでしょう。

民間の医療保険をどうするか? これは人それぞれ置かれている状況が違いますので、それぞれに合った保険を選ぶことが重要です。家族の中のあなたの立場や、仕事や職場の状況で変わってきます。

医療保険の基本

医療保険は、入院した時の「入院給付金」が基本です。それに「手術給付金」や「先進医療給付金」などが最初から組み込まれたものや、特約として追加するカタチのものなど、商品によって多少違いますが、主契約と特約からなるのが一般的カタチです。

仮にもっともシンプルな「入院日額5,000円」の保険に加入しているとします。
病気やケガで3週間の入院をした場合
 5,000円 X 21日 = 105,000円 の入院給付金が支払われます。

請求される医療費が高額になったとしても、自己負担の上限は9万円程度ですので、保険で医療費をカバーできる計算になります。

しかし、健康保険の適用外の実費や、収入が減ってしまう場合なども考えられますので、これで十分と考えるかどうかは一概にいえません。